岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科(第二外科)

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呼吸器グループ

漏斗胸の治療

漏斗胸とは?


 漏斗胸とは、胸のほぼ真ん中で中央よりやや下の部分がへこんでいる胸の形の変形です。生まれたときからへこんでいる子もいれば、徐々にへこみが進んでくる子もいます。また時間の経過とともに,へこみがだんだん右に移っていき、左右非対称になってくることもあります。  その原因ははっきりとはしていませんが、胸の肋軟骨(肋骨の先(前)の部分)が、体のほかの部分よりも速く成長するために、両側から押されてその間の部分(胸骨)が落ち込むことによって漏斗胸になると考えられています。

漏斗胸は放っておいても良い?


 へこみが大きい子では、そのへこみによって心臓が押されて極端に左側へ偏ることがあります。そのせいで心臓に大きな異常が生まれることはありませんが、胸のレントゲン写真や心電図で異常を指摘されることもあります。ただ胸が薄くなってしまいますので、呼吸の機能という点では若干不利になってくるかもしれません。
 したがって漏斗鏡を手術するかしないかは、ほぼ見た目を気にするかどうかという点が大きいと考えていただいてよいかと思います。とくに物心がついてくると、他人との違いに関して敏感になり、意識するようになってきますので、それが原因で性格的に内向的になったり、暗くなったりすることがあるかもしれません。またそれが原因でいじめにあうようなことが無いとも限りません。 そういった悩みが大きいようでしたり、そのために性格的な問題を抱える可能性があるようでしたら、やはり手術をお勧めします。

手術する時期は?


 一般的に最も良いといわれているのは、小学校に入学する前といわれています。この時期ですと、胸郭もやわらかく、手術も比較的簡単で、矯正効果も良好だといわれています。
 年令が進むにしたがって、胸郭が大きく、また固くなってくるため、矯正がやや困難になり、また後でお話しいたします矯正用のバーが2本必要になってくることもあります。しかしながら成人においてもこの手術は可能です。

手術の方法は?


 漏斗胸の手術法はいろいろありますが、大きく分けて2つに分類できるかと思います。一つはへこんだ胸骨を持ち上げる「胸骨挙上術」で、もう一つはへこんだ胸骨をいったん切り取ってひっくりかえす「胸骨翻転術」です。いずれも昔から少しずつ改善されながら行われてきた方法ですが、傷や侵襲も比較的大きいといった欠点があります。
 そこで最近では、アメリカのナス先生が開発された「ナス法」という新しい方法が多く行われるようになってきています。ナス法はへこんだ胸骨の裏側に金属製(ステンレスやチタン)のバーを通し、裏側から前方へと胸骨を押しだして矯正する方法です(下図)。

ナス法

 バーは2~3年して抜きとります。この方法は「胸骨挙上術」の一種ともいえますが、上で述べました2つの方法に比べて、傷は小さく、手術時間も短く、低侵襲手術といってよい方法ではないかと思います。ただしまだ歴史が浅いこともあり、特に長期の結果に関してはわからない点もあると考えなければなりません。
 岡山大学病院でも現在まで6例の「ナス法」手術を行いました。本人の強い要望で、術後早期にバーの抜去を行わざるを得なかった1例を除いて良好な結果が得られています(下写真)。

ナス法の術後

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